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橋本 昭司; 箱田 照幸; 広田 耕一; 新井 英彦
Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.485 - 488, 2000/03
被引用回数:26 パーセンタイル:82.56(Chemistry, Physical)種々の工業プロセスから環境中に放出される有機物は環境汚染の観点から問題となっている。原研では揮発性有機物を含むガスに放射線照射して分解する技術の開発研究を行っている。本研究ではベンゼンやトルエン等の芳香族化合物並びにトリクロルエチレンやテトラクロルエチレン等のクロルエテンへの放射線照射効果を調べた。その結果、芳香族化合物では分解のG値が1~2であり、濃度減少分の30~60%がエアロゾルに変換されることを明らかにした。一方、クロルエテンの場合では、エアロゾルはほとんど生成しなかったが、分解のG値は芳香族化合物の数十から百倍も大きく、その値は処理濃度が高いほど大きくなった。
吉井 文男; Darwis, D.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.417 - 420, 2000/03
被引用回数:64 パーセンタイル:95.8(Chemistry, Physical)生分解性のポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60Cという耐熱性のない材料である。このため、固相(室温)溶融相(80C)及び過冷却相(80Cで融解後45Cで保持)で照射橋かけを行い、耐熱性や橋かけ構造導入後の生分解性を調べた。その結果以下のような事実を見いだした。(1)三つの相状態の中で過冷却照射が最も橋かけしやすい。橋かけのG値は、固相は0.27,過冷却相0.7,溶融相0.45である。(2)過冷却相照射PCLは高い耐熱性を示し、60Cから150Cに向上した。(3)土壌埋設及び活性汚泥による試験では、生分解性が照射試料の方が未照射PCLよりも分解しやすい。これらの新しい事実は、生分解性ポリマーの応用分野の拡大に有益である。
瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 57, p.367 - 371, 2000/00
被引用回数:29 パーセンタイル:85.01(Chemistry, Physical)電子線を利用して、高分子を不活性ガス中において、大線量照射する技術を開発して、SiCのファイバーを合成することに成功した。これは、酸素を含まないため、耐熱性が著しく向上し、1700Cに耐えるセラミック繊維である。また、高温でテフロンを照射することにより、架橋させることが可能となり、非晶性のテフロンが得られた。以上の2例は電子線の新しい利用法であり、照射技術を発展させることにより新材料が合成できた。